Marshall LEAD 1969~1974 ?


こんにちは、INDIANA-SOUNDS 大島です。

今日は先月にお預かりしました、オールドマーシャルのオーバーホール状況をお伝えします。

詳細が不明でしたが、スピーカーΩセレクターの部品から1969~1974年製造の日本国向けのLEAD50のようです。

 

白いトーレックに年月を重ねてきたMarshallのロゴが渋いです♪

私が1966年生まれですから、ほぼ同世代です。

年齢を重ねてもファンから大切に愛用されているのはうらやましい限りですね。

 

今回のご依頼は、出音が不安定な事の改善と電源コードが邪魔なので着脱可能にして欲しいという事です。

ご相談を受けた時の簡易チェックで、真空管が全てグラグラする状態を確認しました。

オーバーホールで不良部品を交換しましょうという事でご承認いただきました。

 

修理歴は1999年1月と2008年9月に埼玉と愛知のshopのシールが確認できました。

 

プリ管ソケットはリベットで固定されていますので、リベットをきれいに取り去りボルトナット式に変更します。

そんなに頻繁に交換する部品ではありませんが、真空管の交換回数が増すとともに劣化する部品です。

軽く触ってグラつくようでは、即交換をお勧めします。

プリ管一つ不具合を起こしただけでも、全く音が出ないというアンプを沢山見てきました。

 

これはプリ管ソケットの裏側です。プリント基板実装ソケットと違い、ハンドワイヤードなので凄く神経を集中します。

配線の基本は大きく変わりませんが、ご覧のように抵抗器がぶら下がっていたりするので写真と配線図で記録してから一本一本丁寧にワイヤーを外します。

この作業は他の被覆線や部品を半田ごてで溶かしてしまいます。あっちもこっちもと気を配りながらの作業です。

ポンプやモーターの修理も同様で組立は比較的楽なのですが、外すのは3倍以上の労力が発生します。

パワー管ソケットも写真と配線図を記録して慎重に取り外し作業を行います。

 

どちらのワイヤーも良質なものを使っていましたので、ハンダ部分のみをカットし再利用する事にしました。

オーバーホールであっても劣化していない良質な部品や線材は、そのまま使用するのが私のポリシーです。

予定していたソケット交換は無事終えました。

真空管と同等の金額のかかる複合電解コンデンサーは、許容範囲内ですので交換する必要はありませんでした。

他のレジスタンスも外観はそれなりの汚れ劣化がありましたが、不良化しているものは無く交換は不要です。

ブリッジダイオードも交換品は仕入れましたが、測定上問題は見られず交換は不要でした。

唯一抵抗値の誤差があったのがパワー管前段のレジスタンスです。

220KΩのところ255kΩと229kΩありました。他のレジスタンスの誤差は微差でしたので二本とも220kΩに入れ替えました。

 

何故大きさが違うのかと申しますと1Wのところ3Wしか手持ちが無かった為で深い意味はありません。

パワー管のカソードBIASが合わなかったのですが、左右入れ替えてみると判明。

パワー管のマッチドが取れていませんでした。マッチドペア品に交換すると微差に改善しました。

 

写真はACソケットの交換、プリ+パワー管ソケット交換が済み装着後のテスト段階の写真です。

パワー管がやけに縦に長いのはBIAS測定用のソケットを装着しているからです。

実は出音チェックも行い音色は煌びやかで良い音が鳴ります。

だったら早く完成写真をアップせよという感じですが、BIAS調整に若干しこりを残しているのです。

このアンプについている調整用ボリュームは全体の電圧を調整できますが、V4とV5のバランス調整は固定抵抗器で行うしかできません。そうしますと次のパワー管交換時に又その作業をしなければなりません。

ちょっと煮詰まった感じなので休憩しましょう(ふう~~~~~)

 

これが交換後の220KΩ抵抗器と年代物の半固定ボリュームです。

交換したら?と声が聞こえてきそうですが、テストでは全く問題ありません。

古き良きものは活躍してもらわねば! 今回はこの辺で    続く・・・・・