Bogner ALCHEMIST 212再リペア


こんにちはINDIANA-SOUNDSです。

今回はテスト機のBOGNER ALCHEMIST 212の不具合をお伝えします。

実は研究材料として出音しない個体を入手してリペアしました。

その後はクリーン・クランチサウンドが気に入ったのと、HEAD画像に出てきます2発のセレッションスピーカーが気に入ったので経過観察している個体です。

再度不調になり全く電源が入らなくなりましたので再リペアとなりました。

まず全てのヒューズをチェックしましたが正常です。

次にプリ管ですが全て新品に交換した12AX7ですが5本の内一本が黒く変色していました。

脚は変色していませんので一見しますと良品のようですが、銀色の部分が黒くなりさらによく見ると一本の筋が横に走っていました。初期不良です。

数を仕入れますと稀にこのような場合に遭遇します。

勿論交換になりますが、今回の全く電源が入らないという主の原因とは考えられません。

じっくり目視観察を終えましたが、特に異常は見られません。

そうなりますと前回のリペア箇所と各所の電圧測定が最初のチェックとなります。

まず、電源オンで全く反応が無いので、電源~ヒーター回路をチェックします。

AC100Vを確認しB電源の6.5Vを確認します。7.2Vありました。多少の誤差は仕方ありませんが、BのAC電源は生きています。

次にDC回路を測定しますと???電圧がありません。ブリッジダイオードでDCに整流後の電圧がありません。

という事で、原因はブリッジダイオード、平滑コンデンサー、抵抗器、可変抵抗器に絞られました。

写真は既に部品交換後になりますが、ブリッジダイオードと平滑コンデンサーが要因でした。

両面基板は初期部品を外しますと両面プリントを繋ぐリングも一緒に外れてしまいます。

その為導通が甘く、出力を上げた使用により、熱と振動が加わり接触不良となった模様です。

因みにハンダも薄くなっており両面基板品のリペアにおける経過が確認できました。

 

対策としましてワイヤーで表と裏、接触が不安定な部分の導通を改善しました。

テスターで測定すると、抵抗値oを示します。これで+3.5と-3.5Vのポイントがしっかり導通しています。

最後にホットボンドで動かないように固めました。

基板に装着し複雑なコネクターを間違えずに装着し、再度装着漏れが無いか確認します。

電源ON!チャンネル表示のLEDが点灯しました。

DC3.5Vポイントに電圧が掛かりましたので、半固定抵抗で+-をピッタリに調整します。約3.57V位になりました。

次に出力回路の電圧を確認します。

Marshallと同様に3PINコネクターに繋ぎます。

短絡しないようにテスター~ワニ口クリップを繋ぎスタンバイをONにします。

このALCHEMISTは20wと40Wの切替がそれにあたります。

300mVの電圧が掛かっていましたので何とか動作しそうです。

ここは前回規定値の350mVに調整したのですが、念のためパワー管も交換しましたので数値が変わっています。

少し時間を要しましたが、左右ご覧のように落ち着きました。

後はinput jackから音声を入力し、スピーカー端子からの出音を確認し終了です。

 

因みに、これが出力回路の半固定抵抗器です。

6L6GCと6L6GCの間にありアースに流す電流を調整します。

左右ペアのパワー管に同じ電圧と電流が流れることにより、安定した状態を保てるのです。

この左右のバランスがくずれますと、片方に高電圧や高電流が流れ、真空管の寿命を縮めます。

またパワー管のペアが取れていませんと、半固定抵抗器で調整が出来ない場合があります。

また強引に合わせても、やはり寿命は短くなります。

という事でINPUT JACKから小型ラジオの音声を入力し、ダミースピーカーで音声出力を確認しました。

後はユニット取付で終了となります。

 

・・・・('◇')ゞ