JAZZギタリストの定番Model 「PETERSON P100G」のオーバーホールです。
元々のご依頼はリバーブノイズが出るようになったとの事です。
工房にて一緒に音出し確認をしましたが、元気の良い出音が出ます。
異常なさそうですが少しリバーブの効きが弱いです。
全くリバーブが効かない訳ではありませんので原因はタンクでは無いと判断しました。
因みにオーバードライブCHで出音確認すると・・・・出力が上がりません。
不良のコンパクトディストーションのような出音です。
内部を確認する事にしました。
約5年前ほどにオーバーホールされました、こちらの個体を中古購入されたそうです。
よく見ますとコントロールポットが全て純正では無く交換されています。
出音チェックでガリノイズが一つもなかった理由が判りました。
ポット交換で改善出来そうと取り掛かりましたが、どうやらオーバーホールはポット交換のみで、消耗部品は販売当初の物が付いていました。
という事で各部品の個別良否判定が必要となりオーバーホールとなりました。
色々部品の観察測定をしますと不良化している部品が見つかりました。
こいつが一番難儀でした。
生産中止で世界中でも当時品の在庫が極小です。
入手が難しいのと高価でオーナー様と相談した結果代替品を選択しました。
といっても代替品もなかなか見つからないのです。
いろいろ調べましたが、PETERSONのFETトランジスタを交換修理した記事が掲載されていないのはこの現状があるからです。
再度オーナー様と打合せしました結果、すぐに交換できる不良部品は交換し様子を見ることにしました。
ダメなら基板修正を掛けるしかありません。
現在は途中経過ですが、週末には部品が入荷します。
PETERSONをお持ちの方は次回の経過をお待ちいただきたいと思います('◇')ゞ
という事で基板修正になりました。
ペアで交換になりますが、一応販売元ではマッチング品との事です。
入荷後の測定では、ドンピシャではありませんが許容範囲です。
リバーブの効きが悪い、ノイズが出る原因の一番はこれでした。
正に首の皮一枚状態での断線です。
これで大丈夫・・・え???
電源は入るがLEDが点灯しない?
出音もしない?
電源が入るのでプリコントロール基板を疑います。
以前Marshall DSL40をメンテした際にオペアンプ不良で出音しない事がありました。
でもこのアンプのオペは全て測定して合格でした。
交換したり測定した個所を片っ端から導通テストしましたが正常です。
こうなったらプリントを追ってみます。
すると・・・?
このオペアンプソケットのみ4と8が逆になっているではありませんか!
ハンダを除去しクリーニングをしましたら、やはりソケットの向きが逆でした。
これではソケット通りにオペアンプを挿入しても音は出ないはずです。
新しいソケットを向きに気を付けて取り付けました。
因みにオペアンプも再測定し不良化していない事を確認し装着しました。
これで組み込めます。
リバタンとエレボとはここでお別れです。
出音ばっちりです。
凄く良い音色のアンプです。
中古市場でも高価取引対象の音色は違います。
さて、リバーブは?
凄く良い音色しています。
ツマミを回しても上品な残響音で素晴らしいです。
勿論このルックスもあっての総合評価なのですが・・・。
素晴らしい!