1970年代のfender stratcasterのリペアご依頼です。
サウンドは良いのですが、他のギターと比較しましてもとにかく弾きにくいとのご相談です。
出来ればフレット交換したくないとのご要望も含まれています。
因みにこのギターは大変重く4kgありました。
恐らくアッシュbodyと思われます。
こんなに重たくて弾きにくければケースから出る機会も減るのは当然です。
サウンドテストしましたが、まず気になったのが1~3弦がチョーキングしにくい&テンションがきつい事です。
フレットも0.8mmと低く1弦側のフレットはテーパーを掛けてありますので更に低いです。
そしてネックジョイントがご覧のようにハイポジで外れ掛かっています。
オーナー様とご相談の結果、ネックジョイント修正とナット溝調整で先ず改善という事で作業開始しました。
ネックは3点支持です。これがズレる原因なのです。
プレートはご覧のような形状なので、隠しビスを2点追加して補強する事にしました。
※これは加工前の画像です。
修正後若干1弦側を広めにセッティングしました。
直後の画像は忘れましたので、ナット溝も調整した後セッティング画像です。
6弦側の15F以降はアップのチョーキングは不要な為1弦側のプレイヤビティーを向上させる事にしました。
ネックジョイントが上手くいきましたので次はナットです。
純正はプラ素材が装着されていました。
溝が深く簡単にポキッといきましたが、塗膜のダメージも極力抑えました。
オーナー様のチョイスでoild boneです。
チューニングが狂いにくいのでお勧めです。
テンションの改善も必要なのでストリングガイドも交換しました。
更にテンション改善の為ブリッジサドルです。
代替パーツも入手できますが後々消耗してきますので、オリジナルに手を加えることにしました。
プロレスラーの額のような傷をリペアしましょう。
1~2弦を主に滑らか~♪加工しました。
滑りは上々できついテンションを改善し、サドルが掘れた溝に左右されず快適です。
くすみのあったフレットも磨いて抵抗を軽減し快適なチョーキングを狙います。
電装パーツも若干の交換はありましたが、重くて弾きにくいstratcasterが生まれ変わりました。
凄く良い音色がするのと弾きやすくなった事もあり、不思議と4kgが苦になりません。
これならステージでバリバリ活躍できます。
因みにこのストラトは各PUの単独ボリュームが可能であり、且つMIXも可能な配線となっています。
こちらも貴重な1本のご依頼ありがとうございました。